モーツァルト Wolfgang Amadeus Mozart (1756〜1791)
「演奏上の問題点」で[m]は「第・・小節」の略です。
クラヴィーア協奏曲 Klavierkonzerte
(作成途中です)
クラヴィーア協奏曲第1番ヘ長調 KV37 (1767)
クラヴィーア協奏曲第2番変ロ長調 KV39 (1767)
クラヴィーア協奏曲第3番ニ長調 KV40 (1767)
クラヴィーア協奏曲第4番ト長調 KV41 (1767)
第1番〜第4番は他の作曲家の作品を編曲したもので、学習的作品と言われている。
クラヴィーア協奏曲第5番ニ長調 KV(175 (1773)
後にウィーンでは最終楽章を「協奏曲楽章(ロンド)ニ長調K382」に差し替えて演奏された(この方法でロバート・レヴィンは録音を残している)。
クラヴィーア協奏曲第6番変ロ長調 KV238 (1776)
オペラやヴァイオリン協奏曲を書いた後の作品で、熟練のあとがうかがえる。
クラヴィーア協奏曲第7番ヘ長調 KV242(3台のピアノのための協奏曲) (1776)
モーツァルトにピアノを習っていたロドロン伯爵夫人とその二人の娘で演奏するために書かれた作品。明るく楽しい音楽。
クラヴィーア協奏曲第8番ハ長調 KV246(「リュッツォウ」) (1776)
レオポルト・モーツァルトのピアノの弟子であったリュッツォウ伯爵夫人の依頼で書かれた作品。特徴的なのはピアノパートの通奏低音の実施例がモーツァルトにより書き込まれていること。
クラヴィーア協奏曲第9番変ホ長調 KV271(「ジュノーム」) (1777)
フランスの女性ピアニストであるジュノームの依頼で書かれた。第1楽章冒頭でピアノがすぐ登場する形が特徴である。
クラヴィーア協奏曲第10番変ホ長調 KV365(二台のピアノのための協奏曲) (1779)
パリから帰郷したモーツァルトが姉のナンネルと演奏するために書かれた作品。2台ピアノ用協奏曲の名作。
協奏曲楽章[ロンド]ニ長調 KV382 (1782)
ウィーンでの演奏会に際し、「クラヴィーア協奏曲第5番」の最終楽章として書かれたもの。
協奏曲楽章[ロンド]イ長調 KV386 (1782)
長いこと自筆譜の最終ページが失われており、復元が試みられた曲。
クラヴィーア協奏曲第11番ヘ長調 KV413 (1782〜83)
第3楽章にしばしば見られる独奏のオクターヴ音型には一層の演奏効果を求める作曲者の志向が見える。
クラヴィーア協奏曲第12番イ長調 KV414 (1782)
ウィーンで活動するようになったモーツァルトが予約演奏会のために作曲した3曲の協奏曲のうち第1作とされる。全体的に親しみやすい。
クラヴィーア協奏曲第13番ハ長調 KV415 (1782〜83)
「ジュピター」交響曲と似たリズム、規模の大きさを持つ。
クラヴィーア協奏曲第14番変ホ長調 KV449 (1784)
弟子のバルバラ・フォン・プロイヤーのために書かれた。長調と短調の交錯に個性を見せる。
クラヴィーア協奏曲第15番変ロ長調 KV450 (1784)
管楽器に独立した役割を持たせた最初の協奏曲。
クラヴィーア協奏曲第16番ニ長調 KV451 (1784)
明快で明るい作風はハイドンの音楽と共通。
クラヴィーア協奏曲第17番ト長調 KV453 (1784)
プロイヤー嬢のために作られた2作目。転調の自由さ、オーケストレイションの洗練度に注目。
クラヴィーア協奏曲第18番変ロ長調 KV456 (1784)
盲目の女性ピアニスト、マリーア・テレージア・フォン・パラディースのために作曲されたという。第1楽章第2主題に聞かれる管楽器の動きなどはまるで「フィガロの結婚」序曲を思わせるもの。
クラヴィーア協奏曲第19番ヘ長調 KV459 (1784)
第16番〜18番と共通の行進曲風動機を持つ。「アラ・ブレーヴェ」の表示で分かるとおり快速性も求められており、それはこの作品全体を流れる精神と思われる。
クラヴィーア協奏曲第20番ニ短調 KV466 (1785)
イングリト・フックスの研究によると、「ペダル(足鍵盤)付ピアノ」のために書かれたらしく、プロイヤーのための第3作かもしれないということ。
クラヴィーア協奏曲第21番ハ長調 KV467 (1785)
交響曲的な壮大さと気品に満ちた響きが特徴である。第2楽章は映画音楽に使われて有名になった。
クラヴィーア協奏曲第22番変ホ長調 KV482 (1785)
1785年から翌年春にかけての演奏会のために「第23番」「第24番」とともに書かれた。クラリネットを起用したことが大きな特徴で、この3曲では管楽器の活躍に素晴らしいものがある。第1楽章の主題は、同じ調ということもあり「交響曲第39番」を思わせる。
クラヴィーア協奏曲第23番イ長調 KV488 (1786)
第1楽章のカデンツァは草稿の中に書きこまれた唯一のもの。第2、第3楽章にはカデンツァがないが、これは即興演奏の技法をさしはさむ余地がほとんどないほど入念に書かれたからだという考えがある一方、第2楽章などは作曲者が自由な装飾等を行って演奏したのではないかという考え方もある(ヘルマン・ベック)。
クラヴィーア協奏曲第24番ハ短調 KV491 (1786)
同じ短調作品の「第20番」よりも短調の支配が強い。第1楽章は第1主題で減7度進行を繰り返す特徴、第2主題を二つ用いる(再現部では逆に登場)、提示部最後に第1主題を変ホ短調で登場させる、などの工夫が見られる。
クラヴィーア協奏曲第25番ハ長調 KV503 (1786)
この分野における最高峰という評価もある名作。
クラヴィーア協奏曲第26番ニ長調 KV537(「戴冠式」)(1788)
「レオポルド2世の戴冠式」とこの協奏曲の演奏会は別で、直接の関係はないらしい。第2楽章の楽譜には左手が書かれてなく、初版でアンドレが書き込んだものが使用されている。
クラヴィーア協奏曲第27番変ロ長調 KV590 (1791)
クラリネット奏者ヨーゼフ・ベーアの演奏会(モーツァルト最後の演奏会)で初演された。
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