| 二人の奏者の歌心を表現したい作品。作品番号が近い「ポロネーズ第1番」の中間部にもこのような書法が見られるので比べてみたい。 第8番変ニ長調 両手の重音の練習曲。きれいに6度を演奏するには思ったより難しい作品。 第9番変ト長調 3〜5度の和音とオクターヴの組み合わせをスタカートで弾く練習曲。無理して練習することで手を痛めることがあるので注意したい。 第10番ロ短調 両手のオクターヴのための練習曲。このオクターヴはレガートで奏する。 第11番イ短調 スケルツォ第3番に見られるテクニック(中間部)とも共通。右手は強靭さが要求される。 第12番ハ短調 並行したアルペジオ。10-1と同じでコラールが隠されている。アクセントの音を意識することが大切で、第15小節からの形で降りてくる時に5指がアクセントにならないようにしたい。 ★ 印象に残った演奏: V.アシュケナージ(LPディスク) 前奏曲集 バロック期にみられた様式だが、ショパンは前奏曲のみでツィクルスを構築するという新しさを見せた。 ★ 印象に残った演奏: M.アルゲリッチ(1976.6.8 東京文化会館) ソナタ ショパンは再現部で第2主題から登場させる、という方法を生み出したが、第1主題の冒頭から再現させないという方法はモーツァルト、クレメンティにも見られる。 第2番は「葬送行進曲」が最初に作られ、それを基に構成されたと考えられる。 ★ 演奏上の注意:「Doppio movimento」のテンポをほぼ忠実に守る人と、それよりかなり速く弾く人がいる/第4-5小節にはナショナルエディションでは繰り返し記号がないが、これは解説を読むとグートマンの筆写譜で2重線に区切られ、ドイツ初版で[勝手に]繰り返し記号に変えられたものだとのこと/コーダの第235小節から急に速くする演奏を時々聴くが個人的にはかなり疑問。 第3番はバランスのとれた傑作である。 ★ 印象に残った演奏: ウィリアム・カペル(LPディスク) ノクターン フィールドが創始した様式をショパンはいっそう魅力的なものにした。 バラード バラードは「譚詩曲」と訳され、もともとは声楽曲であったものを器楽作品として成立させた。叙事的性格の詩に付けられた音楽と言えるが、同郷のミツキェヴィチの詩は創作の契機となった以上のものではないと思われる(楽曲にその詩を当てはめて考える人がいるが要注意)。 スケルツォ 「スケルツォ」は「諧謔曲(たわむれの音楽)」といった意味だったが、他作品にもあるように、形式を受け継いではいるが内容は全く別物に作り替えているところが大きな特徴。 ワルツ 軽妙洒脱なサロン風音楽。ウィーンで好まれていたような舞踏会用のワルツというよりは鑑賞用の音楽となっているのがショパンの個性と言える。 マズルカ ショパンが一生を通じて愛奏し、作曲した様式。リズムの表現が難しいとしばしば言われるが、マズール、クヤヴィヤック、オベレクなどの特徴を知ることから、そしてポーランドの演奏家の絶妙なリズム感を聞いて参考にすることからその本質に迫ることは可能だろう。 ポロネーズ ショパンの最初の作品はポロネーズだった。初めは貴族の舞曲で、重々しい荘重なリズムを持った、王の前を行く州知事たちの行列のための曲だった(カミーユ・ブールニケル『ショパン』)。ショパンはこの様式をインターナショナルなものに向上させた。 即興曲 「幻想即興曲」はショパンが出版を見合わせた作品だが、小坂裕子『作曲家◎人と作品 ショパン』によればその理由は「主題が同じ年にモシェレスが発表した即興曲と似ていたため」と書いてある。 変奏曲 「民謡 “スイスの少年”による変奏曲 ホ長調(遺作)」 「変奏曲 イ長調≪パガニーニの思い出≫(遺作)」 「エロールのオペラ≪リュドヴィク≫のロンド主題による華麗なる変奏曲 Op.12」 「ヘクサメロンのための変奏曲(ベルリーニの≪清教徒≫の行進曲による変奏曲) ホ長調」 ロンド 第1番〜第3番は独奏用、第4番は独奏用と2台ピアノ要の楽譜がある。 幻想曲 大きな構想を持つ作品。最初に現れた葬送行進曲風の楽想が高揚していく部分、最後に中間部のテーマが再現される部分は特にすばらしい。 バルカロール ショパン以前にはメンデルスゾーンの無言歌「ヴェネツィアのゴンドラの歌」。声楽曲に向いているスタイルと考えられるが(「ホフマンの舟歌」など有名曲多数)、ショパンはピアノ独奏曲としての価値を人々に認めさせた。旋律が最初から重音で出てくるところに注目。 ★ 印象に残った演奏: フー・ツォン(1989、前橋市民文化会館) その他小品 「ボレロ ハ長調 作品19」 「タランテラ 変イ長調 作品43」 「演奏会用アレグロ 作品46」 「子守歌 作品57」 「コントルダンス 遺作」 「葬送行進曲 ハ短調 作品72−2 遺作」 「3つのエコセーズ 作品72?3 遺作」 「カンタービレ 変ロ長調」 「ラールゴ 変ホ長調 遺作」 「フーガ イ短調 遺作」 「アルバムの一頁 ホ長調 遺作」 室内楽 「序奏と華麗なポロネーズ 作品3」 「ピアノ三重奏曲 ト短調 作品8」 「チェロソナタ ト短調 作品65」 BACK |