よくある質問
(2025/6/13)

私のところには、いろいろな人から質問が来ます。その中で多く寄せられるものについて掲載します。
(時々更新の予定です)

質問
私の友達がベートーヴェンのソナタを勉強しているのですが、レッスンをしていただけないでしょうか。 生徒を指導する場合、信頼できる先生の紹介があればお引き受けすることにしています。音大生などの場合は担任の先生がいらっしゃるので基本的には難しいと考えます。メールでお答えできるような質問についてはいつでもどうぞ。
基礎連としてハノンを毎日練習することは有効ですか。また効果のある練習法などはありますか。 指の動きを良くなるようにするという意味で「ハノン」を練習する人は多いと思いますが、音楽としての魅力がほとんどないという理由から私はあまり学習者には勧めていません。特に、練習時間の最初に持ってくると音楽へのモチベーションを低下させる恐れがあるので要注意ではないでしょうか。体や手を温めるのであれば体操をする方がよほど良いと思います。ただ、ハノンを練習する意義はたしかにあり、音階、アルペッジョを全調で弾いてみるのは良いと思っています。ある曲のあるパッセージがうまく弾けなくなった、などという際に私はこのような基礎練習に立ち戻るということを行いますが、「必ず毎日」ではありません。
人前で演奏するのが苦手です。どうしたらよいでしょうか。 本番と同じ状態(それに近い状態) でリハーサルを行うことが有効かと思います。家族や親しいお友達に聴いてもらうことと、その体験を重ねることだと思います。
緊張した時に腕や手に力が入らなくなってしまいます。これは元々の腕の筋肉の問題なのでしょうか。それとも「緊張」という心理的な影響から来るものでしょうか。また、これを解消するための手立てとしてはどんあものがあるでしょうか。弾く直前に肩や腕を動かすなどはいかがでしょうか。 筋力の関係は人それぞれなので一概に言えませんが、普段できていた動きができないということだと、それは心理的な問題が大きいのではないかと思います。それと指の動きは訓練によるところが大きいので、長いパッセージを弾きすぎないように少しずつ鍛えることが大事かと思います。
打鍵した後に、腕や肘を大げさに動かすのは音に影響を与えるのでしょうか。私は音色(音質)は打鍵した時に決まると思っています。 その通りで、打鍵する瞬間こそが大事なのです。ただ、打鍵後の動作を意識することでその打鍵が変わるということも重要なので、腕の動きを工夫することは必要かと思っています。たとえば野球のバッティングやゴルフなどでの「フォロースルー」と比べて考えてみて下さい。
ロマン派の作品で、弾けるようになってからテンポを揺らしたりするのか、それとも最初からそういった表現をつけてしまってよいのか、どちらが良いのでしょうか。 正確なテンポで弾く訓練はしっかり行うとして(エチュード、古典派作品などで)、楽譜を初見で演奏するときに最適な表現ができることが理想だと考えれば、「譜読みだから」といって表情のない演奏をすることは音楽的とは言えないと思います。
楽譜にもいろいろあると思いますが、どの楽譜を選べば良いのでしょうか。 ウアテクストだから良いとも言えない場合もあります。時代や作品により事情は異なりますが、まずは「校訂報告(注解)」が掲載されているものを選ぶのが賢明でしょう。
演奏の「普遍性」と「個性」は両立できるものでしょうか。 「上手な話し方」がいつの世にも存在するように、演奏でも聴衆に何かを伝える方法はあるはずで、その辺に「普遍性」はあるでしょう。私の考えでは「個性」は作り出される性質のものではなく、個々の演奏者が真面目に音楽に取り組んだ結果として自然に表出されるものだと思っています。という訳でこの二つは両立するはずです。
練習曲は全部弾かないといけないのでしょうか。ツェルニー50番、クラーマー=ビューロー60番練習曲など、曲数が多すぎていつ終わるのかと思ってしまいます。 私の場合、ツェルニー「30番」は28曲、「40番」は全曲弾いたのですが「50番」は28曲でした。先生は「40番」の後半をしっかり勉強すればクラーマーは基本的に必要ないと思う、という意見でした。指導者として考えた場合、人によって勉強すべき曲は違ってくると思います。いずれにしても「全曲勉強」する必要はないと考えています。そして順番に勉強するよりも「音階」「アルペッジョ」「和音奏」「トリル」などテクニックの項目を決めて、さらに右手左手のバランスも考慮した曲の選び方にするべきでしょう。

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