ヴィラ=ロボス ピアノ協奏曲/独奏曲集

ずいぶん前に購入したCDである。一度は聴いたのだがもう一度聴き直してみた。というのは5月にこの人の作品を何曲か弾いてみようと思っているからである。ピアノはクリスティーナ・オルティス。

これは3枚組で、最初の2枚のピアノ協奏曲は後回しにして、3枚目のピアノ独奏曲集から聴いた。まずは有名な「ブラジル風バッハ第4番」。ピアノ独奏用に書かれた曲とのことである。<前奏曲>は気高い精神を感じさせる音楽で誠に素晴らしいし、<コラール(奥地の歌)>に聞こえてくる鳥の鳴き声が実に独特である。第3曲<アリア(カンティーガ)>では主部での悲しげな旋律とブラジル風中間部との見事な対比があり、第4曲<踊り(ミウジーニョ)>はサンバ風音楽で楽しい。

次は「実用の手引き」で音楽指導用の楽譜集であると解説に書いてある。<満ち潮><サンバ・レレ><シランダ・シランジーニャ><路上にて><イトロロヘ行ったら><小鳩が飛んでいった><ガリバルディはミサに行った>が演奏されており、いずれも童謡にもとづいた音楽であるらしい。この中で<満ち潮>と<路上にて>が気に入っている。前者はリズミカルで明るく、後者はたしかラテンの軽音楽で演奏されていなかっただろうかというような雰囲気の曲。

<単純な歌>はワルツ風音楽で、もの哀しい情緒である。<壊れたオルゴール>はピアノの高音域を効果的に使った多調音楽風。<ブラジルの密林への哀愁><オリオン座の3つの星><苦悩のワルツ><シランダス>、いずれもこの作曲家の魅力を十分に発揮していると思うが、最も感銘を受けたのは「ブラジルの詩」で、特に<吟遊詩人の印象>である。

ヴィラ=ロボスの作品を修めたCDでは、他に「チェロ・ソナタ第2番」「ピアノ・トリオ第2番」を所有しているが、これは長いこと私の愛聴盤となっており、特に調号を用いず旋法的に書かれたチェロソナタの第1楽章に惹かれるものがある。パリで勉強したことがどことなくフォーレなどフランス近代作曲家に近い雰囲気を醸し出しているように思うが、いかがであろうか。

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